呼吸器内科

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肺炎球菌ワクチンのおすすめ

2012年10月 1日

肺炎球菌は免疫のはたらきが十分でない、乳幼児や高齢者に様々な病気を引き起こします。肺炎球菌によって起こる主な病気には、肺炎、気管支炎等の呼吸器感染症や副鼻腔炎、中耳炎、髄膜炎、敗血症などがあります。また、細菌による感染症はペニシリンなどの抗生物質により治療しますが、近年は薬剤耐性菌が増えているため、治療が困難になっているという問題があります。

そこで、ワクチンにより、病気をあらかじめ予防することの重要性が増してきています。また、これからインフルエンザの季節が近づいてきますが、インフルエンザに続発する肺炎の原因菌として最も多いのが肺炎球菌であることが知られおり、免疫力の低下した高齢者の方々でしばしば問題になります。

現在、肺炎球菌感染症を予防するワクチンとしては、2歳以上で肺炎球菌疾患にかかるリスクが高い人および高齢者を対象として23価肺炎球菌多糖体ワクチンが発売されています。肺炎球菌には、80種類以上の型がありますが、23価肺炎球菌ワクチン接種により、そのうちの23種類に対して免疫をつけることができます。接種により、肺炎球菌による肺炎の8割に効果があるといわれでいます。

ただし、肺炎球菌ワクチンは、肺炎のすべてを予防するワクチンではありませんが、接種することによって、重症化防止などの効果が期待されます。接種対象者は、2歳以上で肺炎球菌による重い疾患にかかる危険が高い方(慢性疾患のある高齢者の方など)です。個人差がありますが、1回の接種で5年以上の効果が期待できます。

なお、初回接種から5年以上経過した肺炎球菌による重い疾患にかかる危険性が極めて高い方やワクチンによる抗体濃度が急激に低下する可能性のある方は、再接種の対象者となっています。

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